群馬県 前橋市 学校法人清心学園 幼保連携型認定こども園 清心幼稚園

夢あふれる園庭の創造
幼稚園案内 子育て支援・サポート 地域・文化・交流
コンテンツ一覧
木立をくぐりぬけ、ネットを登って、ゆらゆらつり橋、渡れるかしら。

園舎の新築とともに進められてきたのがこの園庭整備です。

こちらは「子どもの夢あふれる遊び場」計画として、ガーデンデザイナーの正木覚さんにお願いしました。正木さんは、平成12年(2000)にNHK教育テレビの趣味悠々「とびっきりガーデニング」に出演、主に環境デザインを提案されています。また、日本ガーデンデザイナーズ協会の会長でもあります。びっくりするくらいにすごい方ですが、縁あって園庭や屋上緑化のデザインを引き受けていただきました。
正木さんは、子どもたちと一緒に遊びながら「うーん、大人が考えるとつまんなくなるな~」と、アタマをよじって、ぐるぐるしてアイディアをまとめてくださいました。
そして、1年がかりでプランを練り「ゆれる」「よじのぼる」「ぶらさがる」といった要素を組み合わせていきました。想像をこえる遊びが次々と展開されていくのを目のあたりにして、「子どもの心を持ちながら、大人の視点で考えることに気がついた」と、正木さん。毎回、子どもの『力』に驚くことしきりだそうです。そんな子どもたちは、これからどんな冒険を展開するでしょう。きっと、また私たちの許容量を超えていくのでしょうね。

大きな見晴台は平成17年(2005)に完成しました。でも、まだ暫定的です。清心の新たなシンボルは、これからも子どもたちに負けずにますますパワーアップしていきますよ~!

子どもの心を育む園庭

知り合いの紹介で清心幼稚園を訪れた時の印象は、「こんにちは!!おじさんどこから来たの?

何してるの?」と積極的に話しかけて来る好奇心旺盛な元気な子が多いとこ。さらに旧園舎の古い写真を見せられてびっくり。特に丸太で組まれた砦のような大回廊の威容には驚かされた。前園長の手作りによる大建造物が園児の好奇心と冒険心をくすぐり、元気で積極的な子供を育てて来たこと、さらに情操豊かな心を育んできたことも想像できる。それは卒園生の心像風景の中にも生き続けることもわかる。

今回の新園舎の建てかえに際して、庭園と遊具のデザインをやってほしいと言う依頼であった。百年以上の伝統と共に、皆さんが大事にして来たもの全部を汲み取って、この後の百年にも耐えられるものにしてほしいとの事だった。これは困ったもんだと頭をかかえてしまった。すると、「いろいろ悩んで考えるより、とにかく園児と一緒に遊んでみて下さい!」と言われて子供達の中におずおずと入っていった。それが小春日和の穏やかな冬の日だった。あっと言う間にみんなの遊びの輪の中にいる自分がいた。

そこでは私の想像をこえる遊びが次々と展開されているのを目の辺りにして、ようやく皆さんの言っている意味がわかった。スタッフも交えてのワークショップやディスカッションで、イメージはどんどん広がっていった。木々の草花のあふれた園庭に、大地の温かさや風の香り、水のここちよさが感じられる楽しさあふれるイメージができあがっていった。それは子供の心を持ちつつも大人の視点で考えたものだった。できあがったイメージシートは参加者全員が納得ゆくものだった。

しかし問題はこれからである。近ごろ新聞紙上をにぎわしている遊具の事故を目にするにつけても、冒険心を満たしつつ、安全である遊具を造ることの難しさを感じる。安全を優先するあまり、何の変哲もないものになるばかりか、危険を感じる感覚さえ奪いかねないではないか?遊びを通して身体能力を培い豊かな感性と情操を育むにはどうしたらよいか、造り手との真剣な話合いが続いたが、イメージシートと設計図の間の溝を埋めることができないまま時間が過ぎて行った。

しかしそれ以上の熱意がこのプロジェクトを動かした、特に理事長、園長、事務長、そしてスタッフの想いが形あるものにしていった。自分が風となって青空に舞い上り、鳥になって木々の間を飛びまわる時に雨になって大地を降り、川となって流れる。木は根をはり枝を伸ばし、花を咲かせる。そんなイメージの広がる場所となった。きっと百年後も、子供たちの楽しそうな歓声と大人たちのやさしい眼差しが、ここにはあるだろう、と私は願う。

空間利用と風景づくり

園庭は狭いながらに工夫しています。空間を立体的に利用し、水あそびや泥あそびが大胆にできるように地面を傾斜させています。砂地では、川やダムを造ったり崩したりと思う存分にあそびを広げます。湧いてきたかのようにあふれだす水の流れ。小さな小川もあそび場です。

樹木は、季節が感じられる落葉樹と緑を絶やさないよう常緑樹をバランスよく約30種。周囲の緑と調和するように配置しています。現在、ブルーベリーやあんず、さくらんぼなど実のなる木々を育てています。松は、50年近く前に、利根川原に落ちていた苗を現在の園長が持ちかえって植えたものです。秋に真黄色に染まるイチョウの木も戦前に職員が植えたそうです。今やどちらもしっかりと根をはり、幼稚園を見守っています。そして平成15年、桜の苗木を2本植えました。

これは、その昔、日本から旅立ちアメリカのポトマック河沿いに生えていた桜を里帰りさせたものです。やがて、枝葉を茂らせ、園庭に素敵な春を届けてくれるに違いありません。「薄ピンクに色づいた桜が待っている幼稚園」そんな風景を楽しみに待ちたいですね。

そう、子どもの育ちを見守るように。

子どもたち